1. 施設、設備の充実
    1. 植樹等の推進
    2. 施設、設備使用上の各種確認の励行

  2. 保育過程(*)の内容
    1. 年長までをとおしての幼稚園生活の目標
    2. 保育の順序
      • 年少児(3歳児)
      • 年中児(4歳児)
      • 年長児(5歳児)

  3. 幼稚園の課内教室と行事






  1. 子ども一人ひとりの発達段階にそくした保育を行なう

    およそ教育には理想や目標が必要であるのは当然ですが、その理想や目標は、保育者を始めとする大人の側が恣意的に掲げたものであってはなりません。子どもの育ち方は一人ひとりちがうのであって、発達の時間的な経過も性格も一人ひとりちがうととらえるのが原点です。

    従って、子どもに与える課題・教材はその子どもの初めて可能にする程度の課題より低ければ達成感も与えられず、高ければ困難であり、ともに子どもの自発性・活発性を制限するものとなるでしょう。最も効果的な保育を行うためには、保育者が子ども一人ひとりの発達段階を見極める目を養う必要があるのです。

  2. 心身ともにたくましい子どもを育てる

    ただ単に体を鍛えスピードやパワーを高めるのみならず、子どもが今後も生活してゆく上で自分の体を危険から守ったり、出会うであろう障壁を努力して乗越えるたくましさを身につけさせるよう努めています。

    その手段の1つとして、安全のための運動教育やスイミング教育があるのです。子どもの達成の段階は(1)で述べたように一人ひとり異なるので、結果としての「さかあがりができるようになった」・「水が怖くなくなった」など達成感を与えることも大切ながら、子どもがそれぞれの子どもの課題を克服しようと努力を続ける過程も大切にしたいと考えています。

    保育者は子どもが「最後までがんばるたくましい子ども」になれるよう、課題の選定その他手助けの方法について、さらに研究を続ける必要があります。

  3. ヒトとのふれあいの中で学ばせる

    子どもはヒトとのふれあいの中で「ことば」を知り、多くのことを学びます。そのヒトは家庭では両親・兄弟ですが、近年は兄弟数が少なく、また、両親も多忙なことが多くなっています。

    園生活でのヒトは保育者であり、友達であります。友達との関係において、自らの意志に気付くと同時に他の意志に気付くことが可能となり、ゆずりあい・協力の喜びを知り、また、思いやりを知ってゆくのです。

    茶道教育も、挨拶や礼儀から始まり情操を豊かにし、ヒトを思いやる優しい心を育てる1つの方法であると考えています。

    保育者は子どもたちに一人でも多くの友達とふれあう機会を与え、また、子ども一人ひとりが保育者とふれあえるよう撃誡を続ける必要があります。本園は、永らくごく小規模な幼稚園とし保育を行なってき、子ども同志の関係・子どもと保育者との関係は親密であり、家族的な雰囲気であると言われてきました。

    最近の入園児数の推移はごく小規模とも言っていられないものがありますが、努力して家族的雰囲気を大切にしてゆき、子どもに潤いのある人間関係を築かせたいと考えています。

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  4. 施設、設備の充実

    1. 植樹等の推進

      本園は、子どもがのびのび活動する場として、また、季節の移りかわりを知る自然教育の場として大切であるので、機会あるごとに草花の種をまき、苗を植え、また、植樹を行なうよう努めています。

    2. 施設、設備使用上の各種確認の励行

      基本的方針を遂行するために、施設、設備を自由にのびのびと使わせ、また、基本的生活習慣を学ぶ場として「安全確認」・「衛生確認」等の励行に努めています。

    ▲目次


  5. 保育過程の内容

    1. 年長までをとおしての幼稚園生活の目標
      基本的方針を遂行するための具体的な保育内容について重点的な点を、ごくおおまかに書き出して見ます。
      1. 生活
        ア.基本的生活習慣を身につけ社会性を養う
        イ.集団生活の中で、仲間意識や連体感を土台にして一人ひとりが意欲的に生活できるようにする。
      2. 遊び
        ア.友達と遊ぶ楽しさを知らせる
        イ.友達同志の問題解決をする中で、自分の感情をコントロールしたり要求を言葉で伝達する力を養う。
        ウ.友達同志さそいあいながら、遊びを展開し、工夫して楽しむ力を育てる。
      3. 自然
        ア.四季の自然に触れながら、移りかわりを知らせる。
        イ.生命の大切さを知らせる
        ウ.あらゆる事物に好奇心をもたせる
      4. 言葉
        ア.言葉のしくみや音素を知り、発音できるようにする。
        イ.日常生活に必要な言葉を正しく使わせる
        ウ.人前で自分の意志を発表できるようにする
        エ.文字が文章として読め、手紙が書けるようにする
      5. 数量
        生活の中で、数・量・図形に興味をもたせる。
      6. 音楽リズム
        うた・リズム・楽器をとおし音楽に親しませる
      7. 絵画・造形
        ア.クレヨン、絵の具等の使い方を教える。
        イ.自分のイメージを自由に表現させる
        ウ.物を見る目を育てる
      8. 体育
        ア.安全のための運動を身につけさせる
        イ.課題に最後まで取組み、達成感を味あわせる。
      9. 行事
        ア.生活の節目をつける
        イ.行事をとおして、次への活動意欲のステップとする。
    2. 保育の順序
      それでは、どういう順序で保育が行なわれるのでしょうか。保育者の視点で3歳児を中心にお話しさせていただきます。

      • 年少児(3歳児)

      入園初期、お母さんのもとを離れての集団生活に不安や緊張をおぼえる子どもが普通です。そこで
      園生活に慣れてもらう(≒園を好きになってもらう)
      1. 子どもの生まれ月(発達段階)や、生活の様式(くせ?)を把握して、一人ひとりの気持ちの安定を図る方法を考える
      2. 常に保育者の存在を意識させ、それが安定の気持ちにつながるよう、保育者が子どもに好かれるよう配慮する(振り向いた時、常に自分を守る保育者がそこにいる=信頼関係の樹立)
      3. 好きな遊びを見つけさせる
      次に、友達とのルールや、施設・遊具の使い方など、集団生活に必要なことを理解させてゆきます
      1. 友達と一緒に遊べるための最低限のルールを身につけるため、まずは小人数の友達同志の関わりを保育者が提供する
      2. 友達と1つの遊びを共有できる場を設定する
      3. 安全の配慮をしながら、遊びの種類・範囲を広げてゆける工夫をする
      4. トイレトレーニング・手洗いなどを始めとする、生活のルールをみんなで繰り返し行ないながら身につけさせる
      そして、順次、日常の生活に必要な言語、習慣を身につけるよう手助けします
      1. 言葉が増える時期に向け、日常必要な言葉をはっきり正しく発音できるよう指導してゆく
      2. 挨拶・呼ばれたら返事ができるようにする
      3. 保育者に意志が伝えられるように、コミニケーションの機会を増やす

      やがて、年中(4歳)年長(5歳)へ進級するに従い、ごくかいつまんで書くと、次のような保育が行なえるよう、成長してゆきます

      • 年中児(4歳児)

      ア.集団生活の充実を図る
      1. 快適な生活を自分たちで造りださせる
      2. 一人ひとりを大切にする集団を目ざさせる
      3. グループ活動を多く取入れる
      イ.たくさんの友達との関わり合いの中で学ばせる
      1. 一人遊びから友達と遊べるようにする
      2. 外遊びを多用し、ルールを守れるようにする。
      3. 友達とのトラブルを自分たちで解決させる
      ウ.みんなの前で話したいことを話せる子どもに育てる
      1. 保育者や友達の話を聴くようにする
      2. お互いの個性による発言を認め合う
      3. グループで簡単な話し合いをさせる
      エ.創造性を引出す
      1. 遊びの中でいろいろな素材を用い、イメージを膨らませ、自己充実につなげる
      2. 物事に疑問を持ち、物の成り立ちを想像する

      • 年長児(5歳児)

      ア.生活する力を育てる
      1. 生活習慣の見直しや、園生活のきまりを確実なものにしてゆく。
      2. 自分をコントロールし、快適な生活を営む力を育てる
      3. ゆったりとした時間のなかで、時間的な見通し、奥行をもって快適に生活する
      イ.自主的な活動ができる集団を育てる
      1. 友達同志さそいあいながら遊びを展開し、工夫して楽しむ力を育てる。
      2. 自らの疑問を友達同志で調べたり、考えたりして解決する
      3. グループ活動や当番活動をとおし、集団の中の自分の役割を認識させる。
      4. 1つの目的に向ってクラス全員が取組んでゆけるような仲間造りをさせる
      ウ.意志の言語化を確実なものにする
      1. 人の話を聴き、自分の考えを相手にわかるように話させる。
      2. 日常生活に必要な言葉が正しく使えるようにする
      3. クラス全体で話し合いをする
      4. 文字が文章として読め、手紙が書けるようにする。
      エ.小学校に進学する希望と自信をもたせる

    ▲目次


  6. 幼稚園の課内教室と行事

    日常の保育を補間する目的で次のような課内教室・行事を行ないます

    1. 強い子どもをつくるための教室・行事
      ・水泳教室(月2回)・運動教室(月1回)
      ・園外保育(年2回)
    2. 人間関係を学ばせるための教室・行事
      ・誕生会(毎月)・茶道教室(年長・月1回)・宿泊保育(年長)
    3. 協調性、達成感を目ざすための教室・行事
      ・運動会・作品展・学芸会・コンピュター教室(年長)
    4. 季節的行事
      ・田植・七夕会・餅つき会・クリスマスケーキを食べる会
      ・まめまき・雛祭会・伝承遊び大会
    5. 学校的行事
      ・入園式・始業式・創立記念日・終業式・卒園式
    6. その他の行事
      ・PTA総会・父母会・保育参観日(年2回)
      ・個人面談


▲目次